キャッシュベース経営とは?

会計規則と現金の推移

決算書類上の損益と手元の現金の増減はほとんどの場合に一致しません。当期純利益が大きくプラスでも資金ショートする恐れがあります。会計上の収益認識のタイミングと実際に現金が入ってくるタイミング、あるいは会計上の費用発生のタイミングと実際に現金が出ていくタイミングが異なっていることが影響しています。

キャッシュフロー計算書とは?

売掛金が増えたり、設備投資をすればお金は減りますが、決算書をみてもお金の流れはよくわかりません。会計ルールによっては商品を大量に作って在庫に残れば、お金は減っても利益が増えます。

そこでキャッシュフロー計算書を作成します。キャッシュフローはお金の流れを意味し、キャッシュフロー計算書は企業の1期間における現金の増減を示しています。
キャッシュフローは以下の3つに分類されます。

●営業キャッシュフロー
本業の営業活動による現金の変動額

●投資キャッシュフロー
設備投資や株式などの購入/売却による現金の変動額

●財務キャッシュフロー
資金調達や返済、配当支払いなどによる現金の変動額

EBITDAって何?

キャッシュベースでの収益性を評価するための指標がEBITDAです。
営業利益+減価償却費
という算式で簡単に求められることから、簡易的な営業キャッシュフローとして用いられています。

減価償却費は設備や機械の購入費用を定められた耐用年数にわけて経費として計上する仕組みです。経費として計上されていたとしても、過去に購入したものは当期の資金繰りには影響しないため、足し戻しています。当期に購入した固定資産については営業キャッシュフローではなく、投資キャッシュフローのマイナスにあたります。

キャッシュフロー計算書とEBITDAは投資判断にも用いられている指標です。なお、正確なキャッシュフロー計算書を作るにあたっては減価償却費の調整の他、在庫や売掛金の変動額などを計算します。