ネーミングセンス

軽視してないけないネーミング

製造業においてネーミングは軽視されがちです。いい品質のものを作ればなにもしなくても売れるという考えが中小企業には根強くあるように感じられます。

消費者の目にまっさきに入る情報はパッケージやネーミングです。「うまい」「使いやすい」「耐久性が高い」「動きが良い」といったことはすべて買ってから(後から)判明することです。購入してもらえなければそこで終わりです。

品質に大きな優位性がなくてもネーミング次第で手に取ってもらえるチャンスが広がります。

よいネーミング

●カイロ「貼るマグマ」
マグマだけになんとなく効果が高そうなイメージが感じられます

●いちご「あまおう」
甘さの王様を意味する高級イチゴです

●耳式体温計「ミミッピ」
耳に当てるだけでピッと体温が測れます

以上は実在の商品です。どれも語呂が良く、製品の特長や性能を示したネーミングになっています。

インパクトのあるネーミング

●ファッションブランド「1PIU1UGUALE3」
読みは”ウノピゥウノウグァーレトレ”です。 名称が長い上に難読であるため、強く印象に残ります。

●飲食店「俺のイタリアン、俺のフレンチ」
“あなた”や”わたし”ではなく、”俺”がポイントです。 “俺の”を頭につけることで新店舗であっても系列店であることがすぐにわかります。

以上は実在のブランドです。ありきたりな言葉を用いずに、予想外の言葉選びによってインパクトを出すことに成功しています。

オススメしないネーミング

×ラーメン屋「チョコとコーくん」
自分が好きなものを組み合わせただけのネーミングはあまりオススメできません。さらにこの例ではラーメンに「チョコ」が含まれていることで誤解を与えます。
(チョコレート入りのラーメンであれば問題ありません。)

×「FSY36-1VZ」
文字や数字の羅列はまず覚えてもらえません。名付け親にとっては強い思い入れのある単語であっても第三者は裏話・開発秘話・歴史を何も知らないため、ネーミングが意味をなしません。どうしても文字や数字の羅列を用いたいのであればせめて覚えやすい語呂の良さが求められます。

×「世界で一番カッコイイ服」
「超すごい」「一番カッコいい」「最高にうまい」といった褒め言葉は他者に言われて(レビューに書かれて)意味をなします。ありがちな自画自賛は商品を陳腐化させます。
例えば「最強」をアピールするのであれば何をもって最強なのかを客観的な数字や事実をもって説明する必要があります。