誰にも聞けない会計②〜純資産

バランスシートの意味

バランスシートは会社の財務状況を説明するための資料です。
日本語では貸借対照表といいます。

バランスシートの左側は会社が調達した資金が今どのような形で存在しているかを示しています。
現金・預金・債権・車・設備・建物・商品・土地などが資産です。

純資産と資産の違い

バランスシートの右側は資金の調達手段を示しています。右上の負債と右下の純資産の金額をみることによって資金の源泉(調達方法)がわかります。

最終的に人に返す必要のあるものが負債です。代表例は借り入れ金(いわゆる借金)です。純資産は出資額や事業によって得た儲けの額の合計であり、返済の義務がありません。

つまり、実に紛らわしいですが純資産は資産と違う概念なのです。会社が持つすべての資産から負債を差し引いた額が純資産にあたります。

“純”とは何か?

純資産は英語でnet worthと呼ばれています。正味の財産を意味します。
日本語では「純」と訳されていますが意味合いとしては「正味」という訳のほうが実態に則しているように思います。

日常会話と会計用語の違い

「資産」「総資産」「純資産」といった似て非なる単語が多いため、混同されがちです。世間では全て同じようなもの(純資産≒資産≒総資産)として扱われています。

また、一般的には人から借りたお金を持っているだけの人は資産家と呼びませんが、会計上は借り入れで得た金銭・建物・機械・土地などもあわせて資産として記載されます。

純資産の内訳

純資産は「自分の財布にある自分のお金である」という説明が誤解を生んでいます。
純資産額は返済義務のない金額を示していますが、“お金”ではありません。純資産の内訳は「資本金」や「利益剰余金」といった項目です。資産の項目(現金・有価証券・建物・商品・土地)とは全く異なります。

補足説明

現金で出資をしたとしても資産構成は変化します。
純資産額が必ずしも当座預金やゴールドなど換金性の高い形で存在しているとは限りません。
以下は資産1億円の構成例です。

現金100万円
タピオカドリンク機材400万円
高級オーディオ1,000万円
社用車1,500万円
タピオカドリンクの材料2,000万円
別荘5,000万円

かなり極端ですが経営に役立ちそうなものがほとんどありません。