のれんの意味
のれんは、他の企業を買収する際に支払った金額の一部です。
例えば、純資産1,000万円の会社を1,800万円で買収した場合、差額の800万円が「のれん」となります。買収した企業のブランド力・信用力・ノウハウ・人材の能力等の目に見えない価値を高く評価したということです。
ブランド力のような抽象的な概念は客観的な根拠をもって定量化(金額換算)することは極めて困難です。したがって「のれんは企業の超過収益力である」という説明は意訳に感じられます。
超過収益力は確定的な能力ではなく、買い手が考える買収した企業への期待値であることから、買収後にのれん(上記の例では1,800万円)が高すぎる対価であったと判明することもあります。
BS上の扱い
のれんは無形資産という扱いですが、もともとは純資産と支払い対価との差額です。
建物や機械設備のような実体はなく、特許権のような換金価値はありません。
建物や設備の減価償却のように分割して費用化します。
「のれんの償却は資金繰りを悪化させる」という説明をする専門家がいますが、のれん償却の影響で利益が減って決算の見栄えが悪くなったとしても、非現金支出費用である「のれん」が直接的に現金を減少させることはありません。
国際基準との違い
なお、国際基準ではのれんを定期償却しません。
「のれんは個別に識別されず独立して認識されない他の資産から生じる将来の経済的便益を表す資産」
であるという説明が実態に則しているのではないでしょうか。