誰も教えてくれない株の話〜④株のお金はどこへいく?

株が売れると会社は儲かる?

スーパーでパンが売れると、そのパンを作っている会社が儲かります。一方、市場に流通している株の所有者が第三者間で移動しても株の発行元の会社はその取引による損得に関与しません。
株を発行している会社にとっては第三者間の株の売買は何の役にも立っていないように感じられます。では何の意味があるのでしょうか。

もしも、株を買った人が株を容易に換金することができないようであれば、よほどお金に余裕がある人以外は株を買えません。市場で株の売買が活発に行われることで新たに発行された株を買ってくれる人が増えることが期待されます。
つまり、株の流動性が高ければ資金調達が容易になるということです。

株と値付け

スーパーの商品にははじめから値札がついており、所定の金額で確実に商品を買うことができます。株は売りたい人がいなければ、買いたくても買うことはできません。どうしても株を買いたい場合には、他の人よりも高い金額を提示して譲ってもらう必要があります。

業績自体は大きく変化していないにも関わらず、株価はときに急上昇します。株の取引の際には現在の株価が会社の実態や将来性以上に過剰評価されていないかどうかに注意しなければなりません。
高級腕時計やトレーディングカードのプレミア価格のように人気があるときは特に問題ないのですが、何かの懸念材料があると一気に暴落する恐れがあります。

株の増産

スーパーの商品のように売れ行きが良いからといって増産するようなことはありません。会社は発行する株の数を自分たちで決めることができますが、会社が好き勝手に株を増産(新規発行)すると株の価値が希釈されて株価が下がってしまいます。既存の株主が損をしないようにしなければならないルールが定められています。