誰も教えてくれない株の話〜⑦株価と物価

株価の基準はあるの?

物価と同じ感覚で株価を考えることはできません。
例えば、株価1,000円の会社はその金額以下の会社よりも優れているというように捉えるのは間違いです。

株価ははじめに創業者が自由に決めることができるからです。
1株1,000円でも1株10万円でも構いません。
(上場企業の場合は株価の決め方が異なっています。)

3,000万円を調達する場合には1株が5万円ならば600株を発行し、出資額に応じた株数を渡します。
3,000万円=5万円×600株という計算です。
1株が1万円ならば、3,000株を発行します。

株価に関するFAQ

ここで「株価を自由に決めることができるなら、経営者の一存で不正ができるのではないか?」という疑問があります。
正当な理由なく株価を上げ下げすることで特定の人だけが得をするような行為は許されません。
既存の株主(出資者)を蔑ろにしてはいけないのです。

安いままの株価の是非

「業績が良ければ株価はあがるのなら、安いままではよくないだろう?」という疑問もあります。
これは半分正解です。
株価が上がると一回の取引単位が次第に高額になっていきます。
上場会社の場合は100株が1単位となっているので株価が上がりすぎると取引の最低金額が数百万円にもなってしまうのです。
これでは株を取引できる人が一部の投資家に限られてしまいます。

株価は一夜で数倍にできる

そこで上場会社においては株を買いやすくするために株価の単位を切り下げることが一般的に行われています。
すでに株を持っている人たち(既存の株主)が損をしないように1万円×100株であれば、100円×1万株というように各自が保有する所有額は変わらないように変更をします。
この説明では切り下げ前も後もどちらも合計100万円です。

1枚の紙幣(お札)をコピーして増やすことは違法ですが、株はこのように一夜で何倍にもできるのです。実際に株券を印刷しているわけではありません。

株価は以上のように会社毎に独自の単位をとります。
他の会社と株価を単純比較しても意味がないのは当然です。