内部留保は現金ですか?

Q.借入金は現金ですか?

A.借入金は会社が事業を営むために銀行などから借り入れた金額を示しています。

借入金はバランスシートの右側に記載されています。
バランスシートの右側は「どのように資金を調達したか」という手段を示しています。借入金は資金調達の一種です。

借入金は「借りたお金、借りているお金」といった説明を見かけますがこれが読み手に誤解を与えています。
借り入れによって得たお金100万円を全額ギャンブルで失っても、建物を買っても借入金100万円は変わりません。口座に入金されたまま一切使っていなくても、宝くじで100万円が1億円になっても関係ありません。

借入金の使い道は借入金という項目の金額を見てもわかりません。借入金は負債、つまり「返さなければいけない金額」です。現金は借入金とは別の項目になります。

Q.利益剰余金は現金ですか?

A.利益剰余金や内部留保は必ずしも現金で保有されていません。

利益剰余金が500万円あるとしましょう。多くの場合、実体は現金500万円のままではなく、商品・建物・土地・機械といった違うものに置き換わっています。資産合計額が500万円ぶんだということです。

利益剰余金はバランスシートの右側に記載されています。
バランスシートの右側に記載する利益剰余金は純資産の一部です。
取り崩して使うものは、利益剰余金や内部留保ではなく、現金や預金などの資産です。

Q.資本金は現金ですか?

A.資本金額が必ずしも現金として会社に残っているとは限りません。

資本金は会社設立時に株主が会社に払い込んだ「金額」であり、その金額に相当する資産に置き換わっていきます。
資本金もバランスシートの右側に記載されています。繰り返しの説明になりますがバランスシートの右側は「どのように資金を調達したか」という手段を示しています。
資本金は純資産の一部です。

誤訳にご注意

以上の説明の通り、資本金・借入金・利益剰余金はどれも現金ではありません。預金でもありません。

〇〇金という名称(呼び方)が誤解を与えているように感じられます。その語感からどうしても現金・貨幣・紙幣のような物理的なイメージを人に与えますが資本金・借入金・利益剰余金は資金調達手段を示しています。

実は英語では「〇〇マネー」や「キャッシュ」などとは呼ばれていません。日本より遥かにわかりやすい単語でそれぞれ区別されています。

バランスシートも日本語で貸借対照表と呼ばれていますが誤訳です。英語の意味から考えると「残高表」という訳が適切です。