価格勝負
大企業は大量生産を行うことで商品の原価率を低く抑えることができます。したがって、販売量が相対的に少ない小さな企業は大企業と真っ向からの価格勝負を避けたほうが懸命です。 安売り以外で勝負する方法の一つがブランド力の強化となります。
適正価格とは
ユニクロで1,000円のTシャツを買うことができる一方で百貨店に入っているような高級ブランドTシャツは1万円以上します。では、ユニクロのTシャツがそれらの10分の1程度の品質なのかというと違います。 機能性だけでいえば、値段による違いは殆どないのかもしれません。 デザイン料の差と考えてもその価格差はあまりにも大きいように感じられます。
しかし、高級ブランドTシャツを買う人が世の中には一定数存在しています。 そして、ユニクロが数万円のTシャツを売り出しても購入する人はそういないと考えられます。 ブランドによって顧客が適正と考える価格は異なるのです。
高いほうがよく売れる?
値引きをせずに「プレミア感」を高めるほうがよく売れる場合があります。 例えば、フェラーリを破格の500万円で売り出せば、一時的にたくさん売れるでしょう。 ただし、誰でもフェラーリを買えるとなると「フェラーリ所有者」という圧倒的なステータス価値は急速に失われてしまいます。 安売りが一時的であったとしても、その後は元の価格(通常は2,000万円ほどします)で買ってくれる人は減ると予想されます。高いからこそ価値があり、カッコいいともいえるのです。
一度低下したステータス価値の回復には相当な時間を要します。 一時の安売りが長い目で考えると企業にとっては大きなダメージになるということです。 安く売るぐらいならば、売れ残りをそのまま廃棄することを選ぶブランドもあります。