ネットにおける正しさ

神殿

正しさの基準は科学的・論理的・道徳的など様々です。
現代のネット社会においては多数決の「合意形成」による正しさが際立っています。
それにはいくつかの要因があります。

1.アルゴリズム

アルゴリズムによって、ピックアップする投稿はユーザーの高評価やシェアなどの反応をもとに選別されています。
賛同されやすい投稿が自動的に目立ちやすくなり、集中的にコメントがつきます。
一方で、疑問や異論を唱える少数派の意見は低評価されやすく、埋もれてしまいます。

2.バズり要素

中立的な意見はバズりません。
読み手の感情を揺さぶるような投稿がバズりやすい傾向にあります
公平で有益な情報とは限りません。
根拠に乏しい偏見に満ちた主張であっても、バズれば瞬く間に拡散されていきます。

3.バンドワゴン効果

SNSでは支持者の数が誰にでもわかるように常に示されており、それが信頼の証として機能しています。
多くの人が支持しているという状況が、その選択肢を選ぶ人を更に増やします。
みんながそう言っているならば、自分も同じようにしようといった心理現象です。

投稿においては共感のしやすさが高評価をより多く得る上での重要な要素です。
内容の深さや専門性は「正しさ」にとって重要ですが、理解が難しい意見は「共感」という点で不利になります。

4.エコーチェンバー現象

SNSにおいては自分が信じる意見や世界観に合う情報ばかりを探し、似た意見の人とばかりつながっていきます。
それが先に説明したアルゴリズムと組み合わさることにより、それ以外が殆ど目に入らない環境ができあがります。
他の意見や反論が存在していること自体に気づきにくくなり、思い込みや偏見が強化されがちです。