SNSという発火装置

SNSにおいては、正義や倫理に反するとみなされた者に対して、激しい非難が集中します。
そして、まるで凶悪犯罪者を扱うかのような度を超えたバッシングが発生します。
一度、火がつくとバッシングは簡単には止まりません。

ここでの私の問いは「正義や倫理に反すると判断した」ことの妥当性です。
事の詳細を自身で調べることなく、他人の反応に便乗し、短絡的に「正義や倫理に反する」と決めつけているように見受けられます。
鬼を目にした瞬間、瞬く間に桃太郎(正義の味方)となり、鬼退治に快感を得ています。

SNSの特性

SNSの特性がこうした現象をもたらします。
断片な情報の足りない箇所についてはユーザーそれぞれの想像により補完されます。

アルゴリズム上、少数派の意見は埋もれやすく、注目されることがありません。
憶測にすぎないという指摘も見過ごされます。

結果として、誤情報や偏った意見であっても、疑われることなく拡散されてしまうことが多々あります。

点火スイッチ

感情的で衝撃的な内容は瞬時に広がります。
そのため、投稿者は意図して誇張した表現を好み、ユーザーの注目を集めて閲覧者数を稼ごうとします。
閲覧数は投稿者の成果とみなされます。

日常の些細な出来事の投稿でバズることはできません。
よりネガティブで「正義や倫理に反する者」に関する投稿ほど、閲覧者数を稼ぎやすい傾向があります。

おわりに

人間は、感情の生き物です。
同調圧力に負けずに、常に冷静さを保って真実を見極めることは容易ではありません。
誤情報や偏った意見に押し通されてしまわないようにするために我々は何ができるでしょうか?