SWOT分析とは?
SWOT分析は企業分析に用いられる代表的な手法です。
自社に関する「強み」と「弱み」、そして自社と取り巻く環境に関する「機会」と「脅威」の計4つに情報を分類して思考を整理します。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という孫子の格言通り、敵と味方の両方を知ることが重要だというわけです。
SWOT分析の難しさ
SWOT分析はルールがわかりやすい一方で、分析結果が主観的になりやすい欠点があります。
SWOT分析でいう「強み」や「弱み」は絶対評価(分析している個人の主観的な意見)ではいけません。
できる限り、相対評価によって特徴や差異を列挙します。
表裏一体
フレンチのフルコースを提供して、お客の滞在時間が長くなるのは「弱み」でしょうか?
他のフレンチのお店と同等のレベルであれば、それは業界共通の事象です。
「強み」にも「弱み」にも該当しません。
同業他社と比較して悪い場合にその問題提起が意味をなします。
また、接客サービスを重視して、一人あたりの応対に時間がかかることはダメでしょうか?
接客サービスを一つの売りにしているのであれば、安直に効率化を目指すべきではありません。
他の例として、ベテラン社員が多いことは会社の「強み」になるでしょうか?
圧倒的な技術力や経験を保有しているのであれば強みになります。
一方、若手がいないという点は将来に不安を残します。
若手社員が多いということを活気があって、将来性があると肯定的に捉えることもできますが、経験者が少ないと否定的に捉えることもできます。
強みや弱みはこうした両面性を含んでいます。
「機会」と「脅威」
SWOT分析で軽視されがちな要素は「機会」と「脅威」です。
競合他社・業界や社会の動向、自社を取り巻く環境については、わかっているようで実はよくわかっていないことがあります。
推測や勘に頼るのではなく、情報を精査して事実をよく調べることで主観を極力排除します。
「弱み」ばかりが目につく
「弱み」はSWOTの中で一番考えやすい項目です。
問題点は挙げればキリがありません。
しかし、悪いことばかりを大量に列挙してもその後の行動にはなかなか繋がりません。
「弱み」の書き出しに時間をかけすぎないように注意する必要があります。
みんなでSWOT
「自社についてよく知っている」という自負は自社を「正しく」評価できることとイコールではありません。 むしろ、プライドや過去の成功体験が客観的な評価を困難にしています。
これがSWOT分析の大きな落とし穴になっています。
強い愛社精神を持つ社歴が長い社員ほど他社との相対評価による判断が難しくなります。
競合他社から転職してきたばかりの新入り社員のほうが相対的な違いをはっきりと認識できます。
SWOT分析においては新入りから忌憚のない新鮮な意見を引き出すことが重要です。
そして、見解の相違が生まれた理由を考えることが大切です。